環境問題の主人公は人間だと正直に言っていきましょうよ

http://d.hatena.ne.jp/teraiman/20060204/p2 へのコメント。

コメント欄で書く文量じゃなくなっちゃったのでトラックバックします。


まずは、レスいただきありがとうございます。
ちょっと説明不足だったのかもしれません。


結論から言わせてもらうと、「環境問題」という問題を認識している主体は、環境でも地球でも生態系でもなく、我々人間にほかならないのだから、つまるところそれは人間の問題なんだという事になると思っています。

環境問題って言い出したのは環境でも地球でも生態系でもなく、人間ですから。

だから、人間が居なくなれば環境問題もまた無くなるわけで、環境問題の解決策としては人間が居なくなるのが一番早い。


ということで、上記の意見に関しては一部同意いたします。人間がいなくなれば問題が認識できなくなりますので。
でも、問題の本質からして人間がいなくなるという解決策は本末転倒なわけです。
犯罪を無くすために法律を廃止しましょうっていってるのに近い。(法的には犯罪がなくなるけど意味ないですよね)

僕としては、環境問題の主人公は「地球」なのだと思っている。


これに関しては反論したい。

地球にとって環境問題なんていうのは地表面で起きている事でしかないので、惑星そのものに対して致命的な影響は与えません。
生態系が消滅しても、海が干上がり大気が無くなったとしても地球は存在しつづけるでしょう。
ただし、「人間が生活できる僕たちの地球」ではなくなります。


でも、

地球の生態系というのは食物連鎖をふくめて、本来は一定の循環があって安定している。

と書かれていますので、もしかしたら地球=生態系という事でいってるのかもしれませんね。


しかし生態系もまた主人公にはならないだろうと思います。


長い生命の歴史を考えてもらえば分かると思いますが、かなりの激しい環境変化に生態系は耐えてきています。

白亜紀みたいな暑い時代もあれば、氷河期もありました。
生命が誕生してまもない頃などは硫化水素の中で生活してましたし、酸素が猛毒だったりしました。
そういった今では考えられないような環境の中でも生態系は存在できてきたわけです。

逆にいえば生態系にとって環境の変化は必然であり、変化に適応するシステムそのものが生態系を生態系たらしめているといえるでしょう。
ある特定の種の絶滅もまた、環境にたいする生態系の適応システムです。

生態系が一気に壊れるような致命的なダメージが与えられない限り、現在騒がれているような環境問題が原因で生態系が壊滅するという事は ”99.9%ない” でしょう。((c) Livedoor

例えばダイオキシンについて、このぐらいなら今のところ問題はおきませんよ、というのは違う気がする。ダイオキシンが人口的な毒物で循環を妨げるとすれば、やはりゼロにすべく努力すべきなんじゃないか。

ダイオキシンに関しては結局のところ最終的に人間に害が及ぶ可能性があるから問題なわけです。「生態系の循環を妨げる」という事そのものが問題なわけではありません(その結果が問題なんですね)。
もしかしたら、猛毒だった酸素をエネルギー源にする生物が誕生したように、ダイオキシンを取り込んで巧く生きていく生物が登場し、ダイオキシンが生態系にとって無くてはならないものになる可能性だってありえなくはないわけです(そもそも酸素も生物の排泄物なわけですし)。
ただし、そんな状況では人類は絶滅してるかもしれませんが。


地球にとっても生態系にとっても、現在の環境問題で騒がれている程度の環境の変化というものは実はそれほど問題ではないんです。
そんなものはいくらでもありましたし、それ以上の環境の大変化なんてのも何遍も起こっています、そしてこれからも変化しつづけるでしょう。


ただし、特定の環境に適応してしまっている種にとって環境の変化は問題です。
特に、環境に最適化し優位な地位を築いている種にとっては致命的なほど大問題です。
恐竜がいい例で、あんなに繁栄しておきながら環境の変化によって絶滅してしまいました。

ようするに、「環境問題」というのはある特定の種の中で初めて問題化するものなわけです。
恐竜が滅びても地球や生態系は滅んでませんよね。


具体的な話しをしますと、恐竜が滅びた原因の一つに地球の気温が下がったからというのがあります。
恐竜にとっての「地球寒冷化問題」ですね。
ということは、現在いろいろ言われている「地球温暖化問題」は恐竜からみれば「環境破壊」ではなくて「環境回復」です。

じゃあ誰からみて「地球温暖化」が問題なんでしょうか?
言うまでもなく人間ですよね。
気候が変化したり、海水面が上昇したり、いろんな生物の行動(魚の移動とか)が変化したりすると、政治・経済・産業・社会・生活一般面でいろいろ困るわけです。(トリノオリンピックなんかできなくなるかもしれないし、ヴェネチィアなんかは本当に水の都になってしまいますね。)


同じ生物の一員である哺乳類(人間)と爬虫類(恐竜)の間ですら受け止め方が異なるわけですから、地球や生態系全体にとってみればそんなのは枝葉の問題なわけです。


現在の地球環境が変化して一番困るのが、現環境に最適化し地球上で一番繁栄している種の一つである人間です。

だから「環境問題」は誰でもない人間の問題なのであります。
人が生きるため、生き延びる為に、現在の環境を死守しないといけない。これが「環境問題」の本質です。

環境を「人間が生存していける状況」と捉えるのは個人的にはどうもなあ……という感じ。人間中心に考える限りは環境なんて語れない、とか思うのだ。

とおっしゃられていますが、そもそも環境問題は人間中心にして語りだされたものなわけです。
それを「地球」や「生態系」自身の問題だいうのは、それこそ人間のエゴです。
地球=生態系=人間、と言っているわけですから。(正解は、地球⊃生態系⊃人間)。
アメリカの問題は世界の問題だとアメリカ人がいっているようなもんです。


結局のところ、現在の地球環境や生態系は保護していかなきゃいけないわけですが、それは地球の為でも生態系の為でもなく、人間自身の為です。


そういう認識をちゃんともてば、

大真面目に地球様のことを考える、自分たちって地球に住まわせてもらってるんだなあと振り返る

事が改めて自然にできるのではないでしょうか。


ということで、正直に言っていきましょうよ、人間が主人公だって。


追記:
ここまでかいて思ったんですが、 上記に書いた事ははもう大前提中の大前提で、皆当たり前すぎて忘れているかあえて言うまでもない事を、わざわざ言ってしまっているだけなような気がします。

id:teraimanさんのエントリーは上記を大前提として、人間社会の中でどう「環境問題」を考え位置づけていくかに関して言及してるんですね。たぶん。