CNET Japan Blog - 江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance:浅薄なメディア論に疲れたあなたに贈るIT革命論

http://blog.japan.cnet.com/kenn/archives/002063.html

構成員数万人から数億人を擁する近代国家とは、「文字」を媒介するメディアがつくりあげたフィクションに他ならない。

別の側面から切れば、人と人とのコミュニケーションを媒介するインフラとしてのメディアとは、たとえば国家の成立条件そのものであり、「メディアが変わる」とは、人類社会を根底からくつがえす可能性を秘めた大事件なのだ。

ここでふたたび注目しなければならないのは、いわゆるメディアはそれとして計画的に企図され準備された道筋など決して辿らず、あくまで市民がハッピーな気分になりたくて、メッセージを発信し、それを受け取るというコミュニケーションの、はじめは小さなところから、次第に大きくなってゆく連鎖によって育てられるものだということ。

ぼくらの社会を方向付けるものは、文字とメディアの文明史をふりかえるまでもなく、ふたたびコトバであるだろう。それも、未来を切り開いていくような力強いコトバが、待望されている。たとえばブログにはそのようなコトバを成熟させていく役割を果たす潜在性があることに、気づいているだろうか。